日本とオーストラリアのテストマネジメントツールに対する意識の違い(1)

去年のことですが、新しく私たちの部署のグローバルのリーダーになったPaul Whittenさんが来日して、話をしました。そのときの話と思ったことを何回かに分けて書いていきます。

ポールさんははまだHPに来て間もない方で、それまではテスト関連のコンサルタント会社にいたそうです。私も前職がコンサルタント会社にいたので親近感が沸きました。

仕事としてのミーティングが終わった後、ロビーで立ち話をしました。

<ポールさん>

「日本って、QTP(自動テストツール)のほうがQC(テストマネジメントツール)より売れているのが不思議だ」と言い出しました。

「いったい日本ではどこのツールを使ってテストケースを管理しているの?」

<ゆもつよ>

「(またこの質問だ、、と思い、)エクセルだよ」

と言う会話をしました。

彼曰く、オーストラリアでは、自動テストツールって、すごく技術力が必要だから現場に良い技術者がいる、もしくは技術者が育たないと使われなくなってしまうこともあるんだそうです。(世界中一緒なんだなぁと言うのが私の感想)

オーストラリアでは、テストマネジメントツールって"common sence(常識)"だと。自動テストツールを使いこなすほどの技術力が必要なツールではない。たしかに、ALMやDevOpsはこれからのChallenge(課題)だけど。と言っていました。

テストマネジメントツールのない開発の現場はまだ出来たばかりのプロジェクト、組織、会社であるか、もしくは組織として統制が取れていないところしか考えられないのだそうです。

ポールさんはいろいろ私に質問してきました。

・テストマネジメントツールが無いと、つまり、スプレットシートやワープロソフトでテストケースを管理していたらテストケースの統制がとれなくなるのではないか?

要は、ファイルによって書き方が違う、書いてあることが重複する、漏れが出るといったことが起きてしまわないのか?という質問です。

・統制取れないと、テストやバグのメトリクスをとったり、報告書を作ったりするのが大変にならないのか?

ここで私は、日本人は責任感強くってやらなきゃいけないことは終わるまでやっていくから大変でも何とかなっているって言いました。

・テスターは時間になったらさっさと帰りたいはずなのにその日のレポートが作れなかったら帰れなくならないのか?

(5時に帰れないんじゃないか?って感じで聞いてきました)

もう、しょうがないので、「普段5時に帰るなんてしたことないから、5時で帰れると逆に家で居場所がないかもね」って言っておきました。(私の回答もヤケになってきています)

・テストケースの構成管理はどうやっているのか?

出来ていないって答えました。

・仕様変更が入ったときにどうやってテストを見直すのか?

ホントですよね。と。(ここまで来ると私が攻められている気分です。)

オーストラリアでは、自動テストツールを使ってもらうためにもその前にテストマネジメントツールでテストケースの統制(ガバナンス)を効かせるほうが先にしておかないといけないんだとのことでした。

--

まぁ、私もそう思うんですが(思うからこの仕事をしているわけで)。

「じゃぁ、どうすればよいか考えてブログに書くよ」といったら「書いたら英語にして送ってくれ」といわれてしまいました。なので次回はそれについて書きます。

(話した後に、ブログに載せる写真を撮ろうということでポールさんとツーショットしました。)

picture1.JPG

カテゴリ: