Verticaの最新版がリリースされました。OpenText Verticaとしてのリリース第2弾です。
主な新機能および変更点は以下の通りです。
レプリケーション
Server-based Replicationの提供
今まではvbrコマンドを用いてデータベースのレプリケーションを行ってきました。新しいレプリケーション機能として、データベース上から環境の差異・ノード数の差異に影響を受けず、Eon Modeデータベース間でデータのコピーを行うServer-based Replicationを提供します。
データロード
自動的にロードを行うData Loaderの提供
Data Loaderは指定されたロケーションから新しく生成されたファイルのロードを自動的に行います。この自動データロードはExternal Tableの代替機能としても利用でき、Object StoreのAPIコストを削減できます。
Data Loaderを実行すると、前回の実行でロードされていないファイルを特定し、データのロードを行います。また、再試行回数の設定ができ、正しくない形式のデータを持つファイルを繰り返しロードすることを避けることができます。それぞれのData Loaderは履歴を管理するテーブルを持ちます。
ORCパーサーによるLoose schema matchingのサポート
デフォルトでは、ORCパーサーはStrong schema matchingを使用するため、ファイルに含まれるすべてのカラムをその順序通りにロードしなければなりません。これに加え、Loose schema matchingが使用できるようになり、必要なカラムのみをロードし、残りを除外することができるようになります。Loose schema matchingはカラムの順番ではなくカラムの名称に応じてロードを行うため、ロード先のテーブルは同じ名称のカラムを持つ必要があります。データ型は同一または変換可能なものでなければなりません。
パーティション化されたパスのサポート拡張
VerticaはHive形式でパーティション化されたパスをサポートし、効率的にファイルを取り扱うことができます。今後は形式に関わらず、如何なるパーティション化されたパスもサポートします。例えば、/data/2023/01のようなパスの場合、これから年・月の値として読み込むことができ、クエリ実行時に不要なパスからデータを読み込まないように動作します。
データベース管理
エンドポイントの認証要否の変更
次のドキュメントを表示するエンドポイントには認証は不要となります。
Node Management Agentエンドポイント:
/api-docs/
/v1/health
HTTPSサービスエンドポイント:
/v1/version
/swagger/ui
/swagger/{RESOURCE}
/api-docs/oas-3.0.0.json
機械学習
カイ二乗検定のサポート
CHI_SQUAREDファンクションを用いて2つの分類されたデータセットの独立性を求めるカイ二乗検定(Chi-square Independence Test)を行うことができます。
ARIMAモデルによる差分要素のサポート
ARIMAモデルが差分要素をサポートします。これにより、時系列データの傾向を取り除くことができます。
Management Console
Google Cloud Platformにおけるカスタムイメージの作成
Google Cloud Platform(GCP)において、Management Console(MC)のカスタムイメージを作成できるようになります。公開されているMCのイメージを用いてインスタンスを作成し、それに対して必要な変更を行います。その後、変更を加えたインスタンスを基に、新しいイメージを作成できます。新しく作成されたイメージはSubclusterの作成やReviveを行う際に使用することができます。
ホームページのデザイン変更
MCのホームページのデザインが変更され、管理するデータベースの重要な情報を表示するロケーションを提供します。
MCにログイン後にDatabasesのページに遷移すると、データベースおよびSubclusterの重要な詳細情報が表示されるダッシュボードが表示されます。そこから必要なアクションを実行したり、それぞれのセクションに遷移するリンクを選択することができます。
ツールバー・ナビゲーションバーのデザイン変更
ツールバーおよびナビゲーションバーが、より直感的に操作できるデザインに変更されます。
ツールバーはアラートへのクイックアクセス・言語選択・Verticaに関する各種リソース・MCユーザの操作の機能を提供します。ナビゲーションバーは、システムレベルおよびセクションの機能にアクセスできる多段階のパネルになっています。システムレベルの機能にはMCのどのページからもアクセスできるようになり、それぞれの機能に応じたセクションの内容も表示されます。
セキュリティ・ユーザ認証
CONNECT TO VERTICAによるパスワードレス認証のサポート
次のいずれかを用いることで、CONNECT TO VERTICAにパスワードを指定することなしに認証を行うことができるようになります。
- ログインユーザの認証情報フォワーディング
- TLS認証
ストアドプロシージャ
OUT・INOUTパラメータのサポート
Complex Data型を除き、OUTおよびINOUTパラメータの使用ができるようになり、ストアドプロシージャから戻り値を受け取ることができます。
インストール
インストールスクリプトによるRPMファイルコピーの省略
install_verticaに--no-rpm-copyオプションを指定することで、RPMファイルをすべてのノードにコピーするステップを省略することができます。
ただし、事前に--rpm-pathオプションに指定したパスにRPMファイルを置くことが必要となります。
その他の変更点については製品ドキュメントのVertica 23.4.x New Features and Changesをご覧ください。是非、Verticaの最新バージョンをお試しください。
Premium Edition(製品版)のダウンロードサイト:https://support.microfocus.com/downloads/swgrp.html
Community EditionのダウンロードおよびVertica Acceleratorの試用サイト:https://www.vertica.com/try/
製品ドキュメント:https://docs.vertica.com/23.4.x/en/