2024年2つ目のリリースとなる24.2がリリースされました。主な新機能および変更点は以下の通りです。
バックアップ・リストア
vbrコマンドでのNamespaceの指定
vbrコマンドによるリストアおよびレプリケートの作業において、--target-namespaceパラメータに指定されたNamespaceが対象のデータベースに存在しない場合、vbrコマンドがそのNamespaceを作成し、Shard数は元のNamespaceと同じに設定します。
クライアント接続
Routing RuleへのSubclusterの追加と削除
ALTER ROUTING RULE文を用いてRouting RuleへのSubclusterの追加と削除ができます。
クライアントドライバ
ADO.NETによるOAuthのサポート
ADO.NETドライバでOAuthを用いてVerticaに接続できます。
Identity Providerから得るアクセストークンをプロパティに指定します。トークンをリフレッシュするなどの他の処理はドライバ外で行われます。
設定
S3
Verticaはプロキシを介したS3のアクセスをサポートします。
コンテナ・Kubernetes
AWS Secrets Managerのサポート
VerticaDB operatorはAmazon Web ServiceのAWS Secrets Managerに保管されたSecretsにアクセスできます。
VerticaDB CRDパラメータ
VerticaDB Custom Resource DefinitionはRestore Pointからリバイブするための次のパラメータを提供します。
- restorePoint.archive
- restorePoint.id
- restorePoint.index
保存したRestore Pointの情報を得るためにVerticaRestorePointsQuery Custom Resource Definitionを使用することができます。
VerticaScrutinize Custom Resource Definition
VerticaScrutinize CRDはVerticaDB CRの調査情報を収集するためのscrutinizeを実行できます。
Namespace-scoped Operator
Helm chartsを使ってある一つのNamespaceのリソースのみを監視するためにVerticaDB operatorを導入することができます。
Node Management Agent Sidecar
Vertica on KubernetesはSidecarコンテナにNode Management Agentを起動することができます。Node Management Agentはクラスタを管理するためのREST APIを提供します。
OpenShift restricted-v2 SCCのサポート
Vertica on KubernetesはOpenShiftのrestricted-v2 SCCをサポートします。
コンテナ化したKafka Scheduler
Vertica on Kubernetesは、KafkaからVerticaデータベースのテーブルに自動的にデータをロードするメカニズムであるKafka Schedulerをサポートします。VerticaはSchedulerをHelm chartにパッケージ化し、容易に配布することができます。
データロード
AWSでの自動データロード
AWS S3 Bucketに新しくロードされたファイルために、SQS(Simple Queue Service)キューのメッセージを処理することができます。Data Loaderを作成する際にトリガーを定義し、キューのイベントに応答して自動的にEXECUTE DATA LOADERを実行します。
Iceberg Version 2
CREATE EXTERNAL TABLE ICEBERG文はIcevergのメタデータフォーマットとしてバージョン1と2の両方をサポートします。
データベース管理
HTTPSサービス
クライアント接続の表示
/v1/node/connectionsエンドポイントを使用し、該当のノードに接続しているクライアント数を表示できます。
Subclusterからのクライアント接続の切断
/v1/subclusters/subcluster_name/drainエンドポイントを使用し、Subclusterからクライアント接続を切断できます。この機能はSHUTDOWN_WITH_DRAINファンクションのみで提供されてきました。切断状況はDRAINING_STATUSシステムテーブルで確認できます。
Subscription状況の表示
/v1/subscriptionsエンドポイントを使用し、ShardのSubscription状況を表示できます。
DepotおよびDataのパス表示
次のストレージロケーションのフィールドが/v1/nodesと/v1/nodes/node_nameのエンドポイントに追加されます。
- data_path:USAGE 'DATA,TEMP'のパスのリスト
- depot_path:USAGE 'DEPOT'のパスのリスト
機械学習
部分的最小二乗回帰のサポート
Verticaは部分的最小二乗回帰(Partial Least Squares(PLS))のモデルをサポートします。
PLS_REGファンクションでPLSモデルの作成と学習を行い、PREDICT_PLS_REGファンクションでPLSモデルを用いた予測を行います。
ベクトル自己回帰のサポート
Verticaはベクトル自己回帰(Vector Autoregression(VAR))のモデルをサポートします。
AUTOREGRESSORファンクションは入力値に応じて自動的に適したアルゴリズムを実行します。
1つのカラム:ファンクションは自己回帰を実行し、モデルを返します。
複数のカラム:ファンクションはベクトル自己回帰を実行し、モデルを返します。
VARモデルを用いた予測にはPREDICT_AUTOREGRESSORファンクションを使用します。
セキュリティ・ユーザ認証
OAuth2セキュリティ設定パラメータ
Just-in-time(JIT) provisioningで作成されたユーザをより管理しやすくするために、次の新しい設定パラメータが追加されます。
- OAuth2JITRolesClaimName
- OAuth2JITGroupsClaimName
- OAuth2JITForbiddenRoles
OAuth認証パラメータ
JIT provisioningを用いたOAuth認証設定を行う次のパラメータが追加されます。
- groups_claim_name
- oauth2_jit_authorized_roles
- role_group_suffix
- roles_claim_name
JWT validationを用いた自動ロール付与
JWT validation typeを持つ認証設定を使用するJITで作成されたユーザに自動的にロールを付与することができます。
LDAP Linkの実行開始時間の固定化
LDAP Linkの実行開始時間をLDAPLinkCron設定パラメータを用いて固定化することができます。これは今までのLDAPLinkInterval設定パラメータに代わって使用できます。
ストアドプロシージャ
スケジュール実行の拡張
スケジュール指定に時間間隔と時間範囲を含むCron表記をサポートします。
その他の変更点については製品ドキュメントのNew and changed in Vertica 24.2をご覧ください。是非、Verticaの最新バージョンをお試しください。
Premium Edition(製品版)のダウンロードサイト:https://support.microfocus.com/downloads/swgrp.html
Community EditionのダウンロードおよびVertica Acceleratorの試用サイト:https://www.vertica.com/try/
製品ドキュメント:https://docs.vertica.com/24.2.x/en/