HP Discover 2015 ラスベガスでの、ADM関係トピックスまとめ

ここ数年、モバイルデバイスの活性化や、クラウドの一般化、そしてビッグデータの適用が実践段階にはいりつつある動きを受けて、これからのIT活用モデルを表現する"New Style of IT"をキーメッセージに市場アプローチを続けてきました。今年のDiscoverでは、これらの技術がビジネスそのものをドライブするという現実を受けて、"New Style of Business"

というメッセージに発展させてイベント全体がデザインされました。

その中で、「短期間で高品質、そして"Amazing"なプロダクトを作る」を標榜し、開発関係の発表がいくつかありました。

概要になりますが、順にご紹介していきます。

  1. 新製品LeanFTの発表
    機能テストの自動化製品として、新製品"LeanFT"が発表されました。これまでHPの機能テスト自動化製品というと、古くは、QuickTestPro(QTPとよく呼ばれます)から、その後継製品のUnified Functional Testing(UFT)へと発展してきました。テストできる対象も、クライアントサーバーの時代のGUI(Visual BasicやPoweBuilder全盛)操作のキャプチャー&リプライから、昨今のWebUIさらにはWebサービスやRESTといったAPIサービスレベルのテストまで、範囲を拡げてきています。
    その一方で、アジャイル開発が一般化するにつれ、テストのやり方も変わってきています。テスト駆動開発や振る舞い駆動開発のように、開発者(コードを実装する人)が同時にテストコードを書いたり、テストの実行そのものも手許のPCではなく、CI/CDサーバー側でテストまで実行してしまう、と言った具合です。
    UFTはUFTの操作自体がGUIベースで使いやすく、(必要があれば)VBライクなスクリプト言語を使うことが出来るなど、「昨今のプログラミング技術に習熟していなくても使える」というメリットがあります。
    「CI/CDプロセスの中でGUIも実装されたプロダクトのテストを、xUnitによる単体テストやBDDの延長として開発者がスムーズに実行できるにはどうするか」・・・
    この視点で産まれた製品がLeanFTです。UFTと比較するとLeanFTは次のような特徴を持ちます。
    • UFTで培われたGUIパーツの認識やリポジトリ管理技術を継承
    • 統合開発環境(Eclipse, MS VisualStudio)と統合される
    • JavaやC#でテストスクリプトを実装できる。スクリプト内で、リポジトリに管理されたGUIパーツ情報を呼び出して、自動化スクリプトを作成できる。
    • CI/CDサーバーとの連携して、テストを自動実行できる
    発売時期についてはグローバルでは7月中という情報がありますが、これは詳細がわかり次第別途お知らせしていきますので、乞うご期待mOm

  2. Predictable ALMの開発意向表明
    プロダクト開発にとって、納期やリリースのサイクル、品質を高水準で維持していくことがどんどん難しくなってきています。経験あるプロジェクトマネージャーやスキルの高いエンジニアの知見がもとめられつつも、そんな人材、そうそういるわけじゃありません。それをカバーし、プロジェクトの予測可能性を高めたい・・・これをビッグデータで実現するのが、Predictable ALMです。
    "管理"と言えば品質管理QualityCenterという製品をこれまでリリースし、おかげさまで海外はじめ高いご評価を頂戴してきました。これまでは要件やテストケース、不具合情報等を統合的に管理し、各種のテストツールと連携した実行管理まで行うという機能でしたが、2012年あたりから、ソースコード管理製品(SubversionやGit)やJenkinsのようなCIツールと連携するようになりました(このタイミングで、最上位エディションをHP ALMに改称しました)。ソースコードの変更差分情報やビルドの履歴情報を加味すると、これまでの不具合の状況や進捗だけでなく、ビルドの健全性なども可視化され、プロジェクト全体の健康状態(外タレは、Project Healthという表現が好きみたいですが)を把握できるようになりました。
    Predictable ALMは、このように蓄積された情報から機械学習を通して、プロジェクトのリスクを予測しようというモノです。今回のDiscoverでは、リリース日等の詳細は公開されていなかったので、こちらも追加情報入りましたら、お知らせしたいと思います。

これ以外にも、発表間近の新バージョンの話とかもありますが、それはより詳しい情報が入り次第お伝えしていきます。

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