ここからはじめよう_ 14 回目 「LRv12 使ってみよう(SiteScope連携編 その1)」

こんにちは、今回から、以前ここからシリーズで紹介した負荷テストツール「HP LoadRunner(以後HP LR)」のリソース収集方法とは別のリソース収集方法の紹介をしていきます。

まず、おさらいですが、HP LRの基本構成をおさらいしてみましょう(↓)。負荷をかけながら、テスト対象のシステム(AUT:Application Under Test)のリソース情報を収集する事ができます。これによって、HP LR は仮想ユーザの負荷量とそれによって変化するサーバー、ネットワーク機器、ミドルウェアのリソース情報を相関比較(300人がアクセスするとサーバー側のCPU使用率が低下するとか、フリーメモリがなくなるとか)してボトルネック分析を支援する事がきます。

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そして、ここからはじめよう_5回目 「LRv12 使ってみよう(中編)」では、そのリソース収集の1つとして、コントローラから直接AUTへアクセスしてリソース情報を収集する方法を紹介しました。具体的には次のような構成になっていました。

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この方法であれば、Windows マシンの情報(Windows Performance Monitor で収集できる情報)を取得することができました。では、ほかの Linux であったり、WebSphere と WebLog のようなミドルウェア、スイッチや SSLアクセラレーターのようなネットワーク機器まで収集しようとしたらどうすればいいでしょうか。このような場合、HP LR では、HP SiteScope(HP SiS) というモニタリングサーバーを経由する事で収集する事ができます。このHP SiS はHP LR の foundation ライセンスに使用権が含まれており、2000メトリック(モニター対象となるリソースの数)を収集する事ができます。もともと、HP SiS は HP のAPM (Application Performance Monitor)製品としてこれまでに日本も含めてお客様の運用チームへの導入で非常に多くの実績がありますので収集できる情報や使いやすさには定評があります。

具体的な構成は次のようになります。ちょうどコントローラと AUT の間に HP SiS が入る構成になります。

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具体的に HP SiS でどのようなリソースが収集できるかと言うと、次のような情報を収集できます(↓下図)。いかがでしょう?これまでリソース情報をログ収集ツールを使って時系列で整理したり、別の運用モニタリングツールを使って収集して、負荷テストツールの負荷生成量(仮想ユーザー数)とつきあわせる作業、もしくは専用ツールを作っていた方にとっては非常にその手間や工数を下げる事ができるのでメリットを感じてもらえると思います。

もっと収集できる項目について知りたいかたは、こちらを見てみてください。

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ということで、HP LR までインストールされた方(まだの方はこちらを参考してください)は、HP SiS をインストールするための事前チェックをしていきます。ここからシリーズで紹介した HP LR バージョンは 12.02 ですので、このバージョンと接続できる HP SiS バージョンを確認してみます。

HP Passport ユーザであれば、こちらをクリックしてみて詳細をみてください。抜粋したものがこちらになります。

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よって、HP SiS 11.24 を準備しなければなりません。現在、HP SiS の評価版ダウンロードサイトからできるバージョンは最新版になっており、11.24は入手できません。そこで、HP LR と HP SiS の連携を評価される方は、お手数ですが、貴社担当HP営業もしくは、こちらのサイトからお問い合わせください。評価用の HP SiS をお送りさせていただきます。

具体的には、次のようなインストール用ファイルの構成になります(↓赤枠部分)。バージョン11.20 のインストーラーと11.24 にするためのパッチインストーラーの2ファイルになります。

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ここからは、すでに HP SiS のバージョン 11.24 を入手している状態として話を進めていきます。

次に確認しなければならないのは、動作環境条件です。まず、OSとしては、Windows、Solaris、Linux をサポートしております。ここでは、Windows マシンにインストールしていきますので、対応している Windows のOS を紹介します。32ビット、64ビットそれぞれ以下のようになっています。Solaris、Linux の場合は、別途こちらまでお問い合わせください。

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32-bit Support:

Microsoft Windows 2003 SP2 Standard/Enterprise Edition
Microsoft Windows Server 2003 R2 SP2 Enterprise Edition
Microsoft Windows Server 2008 SP1, SP2 Standard/Enterprise Edition
Microsoft Windows Server 2008 SP2 Standard/Enterprise Edition
Hyper-V guest (32 or 64-bit) hosted on Windows Server 2008 R2

64-bit Support:

Microsoft Windows Server 2003 SP2 Standard/Enterprise Edition
Microsoft Windows Server 2003 R2 SP2 Enterprise Edition
Microsoft Windows Server 2008 SP1, SP2 Enterprise Edition
Microsoft Windows Server 2008 R2 SP1 Standard/Enterprise/Datacenter Edition without Hyper-V
Microsoft Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise Edition with Hyper-V Enabled
Microsoft Windows Server 2008 R2 Hyper-V guests (64-bit) hosted on Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise Edition
Microsoft Windows Server 2008 SP2 Standard/Enterprise Edition
Hyper-V guest (64-bit) hosted on Windows Server 2008 R2 Standard/Enterprise Edition

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スペックとしては、

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CPU 800 MHZ 以上
Memory 最低1 GB 以上の空きメモリ (2 GB以上推奨)
HDD 最低2 GB以上の空き容量 (10 GB以上推奨)

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を準備してください。また、HP SiS をインストールするマシン以外に、設定等を行うためのクライアント側マシンも必要です(先に紹介した「リソース情報収集方法 (SiteScope利用)」の構成図を見てみてください)。クライアント側は、

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Microsoft Internet Explorer 7.x - 9.0

JRE 6 以降

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がインストールされている Windows マシンを準備しておく必要があります。

今回は、HP LR のリソース情報収集する方法として HP SiS 連携を紹介し、その構成とメリット、必要となるマシンの動作環境について説明しました。次回からは、実際にインストールをしていきます。それまでに、上記の動作環境を準備しておいてくださいね!

では、また!

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