試用版の利用にあたって
HP ALM/QCを動かすためには次のような構成が必要になります。
- サーバー側: MS Windows Server製品(2008以上)と、データベースとしてOracle(Ver11台)か MS SQL Server(2008以降)。稼働プラットフォームの情報は、以下のリンクで照会することができますのでご確認ください。
https://hpln.hp.com/page/alm-qc-enterprise-technical-specifications
SpoilerHP ALM/QCの設定手順の中で、以下の情報を入力する必要があります。※製品としてはLINUX版もあるのですが、英語版のみの対応となるので、本稿ではWindows版を利用します。
-データベースを作成更新できるユーザの指定
-HP ALM/QCをWindows サービスとして実行するために必要なユーザの指定
これらは、あらかじめ決めておいてください。 - クライアント側:フル機能を利用するなら、MS Internet Explorerが必要です。
通常の利用形態であれば、ブラウザでのアクセスとなります(専用のクライアントツールは不要です)。HP ALM/QC Ver.12から"WebUI"と称して、IE以外のブラウザでも利用出来るようになっていますが、管理系機能等々一部利用できない機能があるので、本稿では素直にIEを利用します。
あらかじめ以上の環境を作ったマシン、あるいはVMware等の仮想マシンイメージを作っておいてください。
準備が出来たら、次のステップで話を進めていきましょう。
- 評価版のダウンロード
- インストール、でもその前に
- インストール
- 最小限の設定
[1.試用版のダウンロード]
まずは、試用版のダウンロードサイトに行きましょう。
http://www8.hp.com/jp/ja/software-solutions/alm-software-development-testing/try-now.html
本稿作成時点(2015.08.07)では、以下の3つが利用できます。
・Quality Center Community Edition
・アプリケーションライフサイクル管理
※あら?本当はApplication Lifecyle Managementにしなきゃいけませんな、こりゃ。
・Application Lifecycle Management SaaS
です。
Community EditionとALMとの違いについては、別稿をご覧ください。
また英語版でよければ、SaaSを使うという手もあります。SaaS版の情報については、こちらをご覧ください。
本稿では、ALMをダウンロードすることにしましょう。
真ん中の「今すぐダウンロード」をクリックすると、「利用規約」が表示されますから、「同意する」を選択してください(ちゃんと読んでくださいね)。
次のリンク集画面が出ます。
ダウンロードの方法ですが、「HP Download Managerの使用」のままだと、Download ManagerのインストーラがダウンロードされてからALMのダウンロードという段取りを踏みます。今回は、1モジュールしかダウンロードしないので、「標準ダウンロードの使用」に変更しておきましょう。
その後、"Software, HP QC/ALM12.20 Windows"の行の「ダウンロード」リンクをクリックしてください。
ISOイメージのダウンロードが始まります。
[2.インストール・・・でもその前に]
インストールの途中で、サービスを停止するようアドバイスされますので、先に止めておきましょう。
- Windowsの「サーバーマネージャー・ダッシュボード」から「ツール」ー「サービス」を選びます。
- サービス「Distributed Link Tracking Client」を停止します。
これは、インストールの間だけ停止しておけばよいので、インストール後は開始していただいて問題ありません。
それでは試用版のISOイメージをマウントして、インストールしましょう。
[3.インストール]
マウントしてSetup.exeを実行すると、以下の画面が表示されます。
「ALM Platform (Windows OS)」をクリックすると、インストーラ-が始まります。
100%にいくと、次の言語選択画面が出るので、「日本語」を選択し「OK」をクリック。
次に、"結構な大きさ"のグレーのウィンドウが・・・
このウィンドウの右下に、次のステップに進めるためのボタンがあるのですが、解像度によってOSのタスクバーに隠されてしまいます。その場合は、タスクバーのプロパティで、「タスクバーを自動的に隠す」をオンにしましょう。
現れた「次へ」をクリックすると、「ライセンス条項への同意」を求めるウィンドウが現れます。
同意するとインストール場所を指定するよう促されるので、指定します。すると、入力の確認を経てモジュールのコピーが始まります。
[4.最小限の設定]
インストーラーによってモジュールのコピーが終わると、完了をお知らせするメッセージが表示されます。そのウィンドウで「完了」ボタンをクリックすると、設定へと進みます。
本稿ではSQLServerを利用します。「試用環境なので、セキュリティとか気にしないで、環境をちゃっちゃと簡単に作る」という観点から、
・システム管理者からデータベース管理者からHP ALM/QC自体の管理者まで、ぜーーーんぶ同じユーザIDとパスワードにしちゃう。
・SQLServerだと、インストール段階で自動的にリポジトリを作ってくれるから楽。
・・・という、お気楽設定にしてします。
※本番環境の場合は、セキュリティのこととかしっかり考えて構築せねばなりません、当然。
設定作業は次のステップで進みます。
- ライセンスキーの設定
- データベースサバーへの接続
- サイト管理データベーススキーマの設定
- セキュリティ
- サイト管理ユーザ
- ファイルリポジトリ
- アプリケーション設定
- HP ALM サービス
- インストールのサマリ
■ライセンスキーの設定
「評価キーを使用」チェックボックスを選択状態にして、リストからエディションを指定します。HP ALM製品系列にはいくつかエディションがありますが、ライセンスファイルの種類によって指定するのです。今回は、最上位エディションである「Application Lifecycle Management」を選択し、「次へ」ボタンをクリックします。
■ データベースサバーへの接続
次に、データベースサーバーへの接続を設定します。今回はお気楽設定と決めたので、
・認証は、「MS-SQL(Win認証)」
・データベース接続は、「データベース パラメータ」を選択し、DBホスト名に当該マシンのホスト名、DBポートはデフォルトの1433にします。
■サイト管理データベーススキーマの設定
HP ALM/QCの設定情報は、サイト管理機能で管理されますが、そのために必要なデータベーススキーマをここで指定します。
今回は、まっさらな状態でのインストールなので、「新規スキーマの作成」を選択してください。
■セキュリティ
パスワードの暗号化などで使うための、パスフレーズ等の提供を求められます。くりかえしますが、お気楽設定なので、「標準設定値の使用(セキュリティ保護なし)を選択します。」
ただし、「通信セキュリティ」の箇所は入力必須なので、12文字以上のパスフレーズを入力してください。
■サイト管理ユーザ
サイト管理ユーザとしてログインするための、ユーザ名とパスワードを指定します。
■ファイルリポジトリパス
HP ALM/QCはデータベースを利用しますが、なんでもかんでもデータベースの中に格納するわけではありません。テストツールと連携した場合のテストスクリプト等の保存場所を、ここで指定します。
■アプリケーション設定
HP ALM/QCの実態は、同梱されたJetty上で動くアプリケーションサーバーモジュール、です。この環境一式をデプロイする先と、ポート番号を指定します。
■HP ALM サービス
HP ALM/QCをWindowsサービスとして起動させるのに必要な、Windowsのユーザ名、パスワード、ドメイン名を指定します。
ときおり、指定したアカウントユーザを検証できないというメッセージが出ることがあります。
・・・が、このまま「はい」を選択しても後々問題はないようです。
■インストーリのサマリ
ここまでの設定値を確認するウィンドウが出ます。
サマリのウィンドウで「次へ」ボタンをクリック、 最後にこれらの設定値を適用します。
問題がなければ、「完了」をお知らせするウィンドウが現れます。
ここまでで、インストールと初期の設定は終わっています。しかし、「"遠足"は、家に帰るまでが"遠足"」という言葉もあるように、ほんとに動くのか確認してこその完了です。
そこで、「ALMサーバーの起動」チェックボックスを選択状態にして「完了」ボタンをクリックしましょう。
「起動中~」みたいなメッセージが提示されつつ待っていると、ブラウザが立ち上がって以下の表示が現れます。
おめでとうございます!これで無事稼働まで確認できました!。
[ 次のステップ ]
ここまでで、HP ALM/QCが起動し、今後サイトの管理を行うために、サイト管理機能にログインできる状態が出来上がりました。ただし、まだプロジェクトが定義されていませんし、サイト管理ユーザ以外のユーザ登録も必要です。
そこで、次回は、これらの設定をしつつ、評価用のサンプルプロジェクトをインポートしてちょっと触ってみようと思います。