Vertica 11.0.1がリリースされました。
本リリースは11.0のサービスパックの位置づけになります。みなさまからのフィードバックに基づいた多くの修正点および改善点を含んだリリースとなっています。
主な新機能および変更点は以下の通りです。
Eon Mode
DepotへのPinning
デフォルトではPinされたオブジェクトはクエリまたはDML実行時に必要に応じてCommunal Storageからダウンロードするためにキューイングされます。SET_DEPOT_PIN_POLICYに新しいBooleanの引数が追加され、Trueに設定することでこの動作を変更し、クエリの実行に関わらずすぐにキューイングさせることができます。
Primary Nodeのみでデータベースを起動
Eon ModeのデータベースをPrimary Nodeのみで起動することができます。admintoolsでstart_dbを実行する際、-sオプションにPrimary Nodeのリストを指定します。
データベース管理
SHARED Storage Locationがすべてのノードで共有
SHARED Storage Locationがすべてのノードで共有されます。以前、SHARED Storage Locationは特定のノードのみで使用することができていました。アップグレード時にすべてのノードに共有されていないSHARED Storage Locationがある場合、それらのStorage Locationはすべてのノード上に存在するように作成されます。
データロード
CSVパーサで囲み文字とエスケープ文字に同じ文字を指定可能
FCSVPARSERとデフォルトのパーサであるDELIMITEDパーサはエスケープ文字と囲み文字を指定するパラメータを持ちます。以前、これらの値に同じ文字を指定することはできませんでした。この制約が撤廃されます。
アップグレード
アップグレード時のUDxの置き換えをスキップ
アップグレード時にすべてのUDxの置き換えを行わなくなります。UDxがすでにインストールされている場合、アップグレードスクリプトは再作成を避けるためにIF NOT EXISTSの指定を行います。もし、Fenced ModeのUDxをUnfenced Modeに切り替えている場合、アップグレードによって再度Fenced Modeに切り替わることがなくなります。
クライアントドライバ
ADO.NETおよびODBCドライバによるホスト名を用いたロードバランシング
一つのホスト名に複数のIPアドレスを紐付ける名前解決を準備することで、ADO.NETおよびODBCドライバはそのホスト名を用いたロードバランスを行うことができます。接続にホスト名を指定すると、クライアントドライバは名前解決する際にランダムにIPアドレスを選択します。
機械学習
PMMLに関するアップデート
TreeModelのインポートをサポートします。TreeModelは分類・回帰の問題に対して強力なモデルです。
PMMLの新しいTagとSubtagをサポートします。
セキュリティ
TLS CONFIGURATIONにノード間通信の設定を行うdata_channelを追加
ノード間通信の暗号化の設定を行うdata_channelがTLS CONFIGURATIONに追加されます。この設定は元々DataSSLParamsパラメータを用いて行われていました。DataSSLParamsパラメータが正しく設定されている場合、アップグレード時に自動的にdata_channelに移行されます。
TLSバージョンが1.2以降に
データベースでTLS接続が有効になっている場合、クライアントはTLS 1.2以降をサポートする必要があります。
Access Policy管理
スーパーユーザ以外でも、自身が所有するテーブルに対するAccess Policyの管理を行えるようになります。以前は、スーパーユーザのみが管理できていました。
SQLファンクション・ステートメント
CONTAINSおよびARRAY_FINDによるComplex Typeのサポート
CONTAINSおよびARRAY_FINDファンクションがComplex Typeの要素をサポートします。
LABELヒントの拡張
LABELヒントを使用できるステートメントにEXPORT TO DELIMITED, EXPORT TO ORC, EXPORT TO PARQUET, EXPORT TO VERTICAが追加されます。
新しいMATCH_COLUMNSファンクション
MATCH_COLUMNSはクエリを実行したテーブルのカラムの中から指定されたパターンに一致したカラムの結果を返します。
ストアドプロシージャ
PL/vSQL
Verticaのストアドプロシージャの正式名称がPL/vSQLに決定しました。
RUNTIMECAP
セッションパラメータのRUNTIMECAPを用いて、ストアドプロシージャの最長実行時間を設定することができます。
ContainerおよびKubernetes
Admission ControllerのOperator Helm Chartへの統合
Admission ControllerはVerticaDB Operator Helm Chartの一部として提供されます。
Admission Controller Webhookによる任意の証明書のサポート
以前は、Admission Controller WebhookのTLS証明書はcert-managerを用いて管理しなければなりませんでした。今後は、Webhookの通信の暗号化に任意の証明書を用いるオプションが追加されます。
任意のTLS証明書のマウント
任意のTLS証明書を複数マウントすることができます。それぞれの証明書はContainerのファイルシステムにマウントされます。証明書が追加または削除されるとOperatorは証明書の更新およびPodの再スケジュールを行います。
S3互換ストレージ接続のための任意の証明書のサポート
以前は、TLS接続の制限としてHTTPS接続はAmazon Web Services (AWS) S3 Communal Storageに限られていました。今後は、自己署名証明書をマウントし、S3互換ストレージへの接続に使用することができます。
SidecarによるCustom Volumeのマウントのサポート
Sidecar Utility Containerのライフサイクル間でデータを保持するために、Custom Volumeを作成してSidecar Containerのファイルシステムにマウントすることができます。Custom VolumeにはKubernetes volume typeを使用することができます。
Verticaの自動アップグレード
OperatorはCustom ResourceのVerticaを自動的にアップグレードできるようになります。
サポートプラットフォーム
SUSE Linux Enterprise Server 15 SP2でのFIPSモード
SUSE Linux Enterprise Server 15 SP2でOpenSSL 1.1.1.gを用いたFIPSモードでVerticaの動作確認を行っています。VerticaはFIPS準拠のオペレーティングシステム上でのFIPSモードでの動作をサポートしています。オペレーティングシステムのバージョンは弊社で行っているテストで使用しているバージョンと同一またはそれ以降である必要があります。
User-Defined Extension
Library管理にスーパーユーザの権限が不要に
libraryの作成・変更・削除はスーパーユーザの権限が必要でした。スーパーユーザは新しく追加されたUDXDEVELOPERロールをUDx Libraryの開発者または管理者に付与することができ、このロールを持つユーザは自身で作成したLibraryに対してそれらの操作を行うことが出来ます。
その他の変更点については製品ドキュメントのVertica 11.0.x New Features and Changesをご覧ください。是非、Verticaの最新バージョンをお試しください。
Premium Edition(製品版)のダウンロードサイト:https://support.microfocus.com/downloads/swgrp.html
Community EditionのダウンロードおよびVertica Acceleratorの試用サイト:https://www.vertica.com/try/